Resized to 56% of original (view original)
Artist's commentary
要塞女学院の日常
こんなめちゃくちゃな猛暑日に歩哨の教程を引いていたなんて、運が悪いどころじゃない。
クソ重たい装備を身にまとい、当たりくじよりも発生しない侵入者にそなえ学院の周りを延々と回らされるだなんて、
無意味さも相まってさながら拷問だ。ったく、宝くじってほんとに当たりくじ入ってんの?
いつ終わるか分からない周回運動に身体が全自動化され始めた時、同じ班の二人が見えた。
自らの任を忘れ騒いでいる二人に注意しようとしたとき気がついた、どうも何かにはしゃいでいる。
目をやると、なるほどそこには最近技術班が自慢していた噂の試作大型戦車、その運搬が行われていた。
話によると戦車の内部はエアコン、デジタルオーディオプレイヤー完備、さらには全面モニターでの動画鑑賞可能と快適ソノモノらしい。
こっちは炎天下の中意味も無く歩き回らされているというのにコノヤロウ。
合同演習の時そのままリッチな棺桶にしてやると固く誓った所で、班員に声をかけた。
「ちょ~っとぉそこの二人!この暑い中あんまり怒らせないでよね!!」
「あ、班長!ごめんなさ~い」
二人はさっさと持ち場に戻っていく。
と、そのうちの一人がスクール水着を着込んでいた。あぁそういえば次の教程は水泳だったな。
思い出したら途端にテンションが上がってきた。苦しみも、それに見合う見返りがあれば気にならないというもの。
むしろ暑ければ暑いほど、水の中は比例して気持ちよくなるだろう。
いいぞいいぞ。なんだ、全然OKじゃない!
何を思うとも無く駆け出していた。暑い!けどいいぞ!夏なんだもん!!
一つだけ確かなのは、次の時間、私は間違いなく一番にプールに飛び込むという事!!