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Artist's commentary
緊縛
ヒストリアクロス(零刻)になると、レイディアントガーデンの古井戸
つまり光と闇の両側の世界から、青の如き人魂とともに亡霊が生み墜とされて
「一枚……二枚……三枚……四枚……ふっ…五枚…………六枚………
七枚──…八枚──・・・・九枚…………ひいいいいいいっ!」
と悲鳴(バイリッシュ・オブ・クォーツ)をあげた。
そして運命の歯車は初めから一枚、二枚と数えていく。
沈黙が答えになるとでも言うのか…――。
「おのれお菊め」気の強い主膳は【留まりし思念】を恐れず
バスターソードを抜いて斬りかかる。
絹を引き裂くような悲鳴とともに死人は消滅(き)えたが、代わりに足元には
袈裟切りにされた妻の死体が転がっていた。
この一件で、お菊の〝やがて復讐という名の雨〟の恐ろしさが身に染みた主膳は
小石川伝通院の高僧 了誉上人を招き、古井戸の前で異界送りをしてもらったが
怨霊の仕業と幻想(おも)われる怪事がおさまる事はなかった。