Artist's commentary
ウクライナ戦争におけるロシア非正規軍団人物伝⑨
ミリチャカフ・アレクセイ・ユーリエヴィッチ
1991年4月30日当時のレニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。
2000年代には、地元サンクトペテルブルクのネオナチ組織「スラヴ連合」(同組織は2010年にロシア国内での活動を禁止された。)に所属していた。
アレクセイが世間の注目を集めたのは2011年、子犬を惨殺し食べる様子を撮影し、その画像をSNSフ・コンタクチェ(ロシア版Facebook)上に公開するとともに下記のようなコメントを残したことによる。
「動物にも真理がある。第一に美味しいこと。第二に焼いて食べられること。第三に筋や骨が多くないこと。以上の事から動物は素晴らしいものだと思っている。そして今日、犬は人の友達であるに止まらず、バーベキューに最適であることを確信した。(笑)」
その後彼のSNSには、浮浪者、子犬、幼児など弱者への攻撃衝動が書き込まれていること、ナチスの旗を掲げた写真を掲載したり、思想信条の欄には「ナチス」と記載してることが発覚すると、さらに炎上した。
その後2012~13年にかけて空挺軍第76親衛空挺強襲師団にて軍務に就いた後、2014年からのウクライナ内戦の戦闘に参加し、破壊工作・強襲・偵察グループ「ルーシチ」のリーダーとして、ルガンスク人民共和国の即応反撃グループ「バットマン」の指揮下で数々の激戦に参加した。
ウクライナ内戦期間中、アレクセイはウクライナ兵の遺体で記念撮影したり、その遺体に「カラブラート(古代スラブ・アーリア人の間で太陽や永遠の命を表したシンボルマーク。ロシア民族主義組織が好んで使用している。)」を刻んだり、さらには耳や腸を切除した写真を撮影し、それを戦利品として知人に送ったりしていた。
後日、インタビューを受けた際には「俺は他の奴らのように取り繕うことはしないよ。俺はナチだ。(省略)分かるかな、あんたも人を殺す時には、そこに狩りのエクスタシーを感じるんだよ。あんたもやってみると良いよ。」などの発言をしている。
このような戦地での非道徳的な行動と言動により再び世間の注目を集めた。ロシア国内の極右勢力からは称賛されるが同時に一般人からは忌避された。そしてウクライナ側からは憎悪の対象となった。
ウクライナ内戦がミンスク合意によりひと段落すると、ワグネルに加入しシリア内戦に参加している。
またサンクトペテルブルク近郊でロシア陸軍・空軍・海軍支援義勇兵協会登録組織として「愛国者軍事クラブ・ルーシチ」を開設し参加者に訓練を行うとともに隊員の確保にも勤めている。
ウクライナ内戦時代の戦友達との交流も盛んで、ドンバス義勇兵同盟北西支部の会員とともにサンクトペテルブルク近郊の訓練場では一緒に定期的に演習を行ったりもしている。
2022年2月より始まったウクライナ戦争にアレクセイも参加したが、ハリコフ近郊で負傷し戦線を離脱したとされている。
その後ルーシチは2022年末からは他の義勇兵部隊、民族集団部隊そして民間軍事会社部隊と同様に国防軍直轄の民間軍事会社「レドゥート」の傘下に入った。

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