「あ…」と横から呟く声が聞こえたので横を見ると、黒猫が空を見つめながら「雪だわ…。」と独りごとのように囁いた。いや、たぶん独り言だったのだろう。釣られて俺も空を見上げると確かに白い結晶が空から舞い落ちてくるのが見えた。「初雪だな。」と無意識に口から洩れた言葉に「そういえばそうだったわね。」と返事は横から返ってきた。雪を見ながら頬を緩めている黒猫。こいつの時折見せるこういう表情もなかなか可愛いものだ。
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