Artist's commentary
雫滴り濡れる身体のその内は
■ リクエストイラスト
雨の日の昼下がりに疼く身体 の続編
twitter>https://twitter.com/mikazuki_akira/status/1568866234153988099
↓バックストーリー
季節は衣替えが終わった頃
今日は降ったり止んだりのあいにくの空模様
14:40
キンコンカンコン
6時限目始まりのチャイムが鳴る
化学準備室のPCで 開いたウィンドウを眺めながらコーヒーを一口
残念だ…今日は来ないようだな
途中だった資料整理に戻ろうと視線をそらしたその時
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はっはっ んはぁ はぁ
バタン
むはぁはぁんはぁはぁ んはぁ はぁ
切らせた息に混じり 艶めかしい息遣い
不自然な内股で扉を開け
上下する肩で腰掛ける彼女はぐったりし表情は既に紅潮し汗ばんでいた
やあ 待ちかねたよ
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そこは3階奥のトイレ
美術室 音楽室など移動教室が並ぶ旧校舎に繋がる入り口にあり
午後は基本的に放課後のクラブ活動以外ほとんど人が来ない静かな場所
それをいいことに 別の用途で使う生徒が何人かいる
毎回違う男を連れ込む2年の澤井
安価でやらせてくれるともっぱら評判らしく 職員会議で名前が上がったこともある
他に1年の水橋 こいつはタバコだ
私は嫌煙家ではないが 将来子供を生むかもしれない身体で隠れてまで吸いたいものなのか? 全く理解できない一体何の罰ゲームなんだ?
そして当然いじめもある
正確な人数は把握していないが 4~5人くらいか? 体操服の色からすると2年
黒髪長髪の生徒相手にひどい有様だ
まぁ問題にして盗撮がバレるのも馬鹿らしいので 今は様子見している
そしてもう一人が1年の間桐 私を変えた生徒だ
私は34歳独身 もういい歳だが こういうのも一目惚れというのだろうか?
胸が苦しいというような 乙女チックな感情とは少し違うが 性的にとても惹かれる存在
彼女は週4で私の授業も受けているのだが それまでは特別意識もしていなかった
うつむいてほとんど表情を見ることもなく どちらかというと影の薄い生徒だった
だがこれを見てから私は彼女の虜になってしまった
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それは半年前
男子トイレに隠しカメラを仕掛けている犯人と遭遇した
意外なことに生徒からも人気のある1年担任の内藤先生だった
普段寡黙だった私は 彼からは真面目な堅物に見えたのだろう
新婚だったこともあり 内緒にしてくれと懇願した先生は 聞いてもいないのに洗いざらい白状した
どうやら男女問わずトイレに複数個カメラを仕掛けていたらしく 電波で飛ばして階段を挟んだ美術準備室のPCで録画するシステムのようだった
日頃の鬱憤 子供が出来ないストレスなどの心情面から
このトイレが人通りが少なく狙い目であることや 比較的安全な時間帯など 具体的なことまで事細かく説明した
特別高い倫理観が求められる教職員にとって これは許されざることだが
正直なところ まだ若い男性が 警戒心の無い少女ばかりの環境にいれば 一時の気の迷いで理性が外れても致し方ないのかもしれない
私は咎めるつもりもなかったのだが 内藤先生は一身上の都合として早々に自主退職してしまった
その後 一時的に私が預かる形になった証拠品
処分に困るも 機材を確認してみると
美術準備室の向かいにある私の化学準備室にも電波は届くようだった
そして たまたま開いた録画映像に映る彼女を見て 私は一瞬で魅了されてしまったのだ
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彼女が来るのは決まって午後
それも薄暗く 雨の日などはその傾向が高い
予想は的中し
意中の彼女はいまカメラ越しに悶えている
下着を片足に スカートをたくし上げ 左指でかき回す秘部からとめどなく蜜があふれる
長い間ぐっしょりと濡れていたのだろう
滴るほど色が変わっている下着が スカートの裏地にまで染みを作っていた
淡紅色の肌
すべらかな指
制服越しからも容易にわかる肉付きのよい身体
むわっとしたフェロモンがここまで伝わる気がした
そして 何よりも惹かれるのがその目だ
透き通るような澄んだ目…そんなものではない
むしろ深く暗い淀みを湛えたような妖しさまである
彼女であって非なる何かを奥に秘めたような瞳
下瞼には薄っすら光るものも見えるが これは単純な快感によるものなのだろうか?
妖艶というには いとけないが それに近しいこの様を一体なんと表現したら良いのだろう?
低俗なファンタジーに例えるのもおこがましいが さしずめサキュバスのようだ
はぐ ふ んぐ
ちゅぷ ぬぷ じゅ ちゅる
んあ はぁ せ せんぱい…
す すきです あぁ
んはぁ お おねがい
んあ
感度の悪いマイクからでも十分に拾える音と声
半開きな彼女の目には思いを寄せる先輩でも映っているのだろうか?
なんとも羨ましいやつだ
はっ ぁ はぁ はぁはぁはっはっはっは うっ
既にガチガチの私のバトンを鎮めるのに ほとんど時間はかからなかった
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ぬちゅ ちゅぴ にぷ じゅ つぷつぷ ぴと
・・・
まるで私が果てたのを察したかのように彼女の指が止まると
気のせいか 目があった気がした
数台仕掛けたカメラのどれからも感じる視線
はぁはぁ
ふ うふふ…見ていますよね?
まさか気づいていないって思ってたんですか?
今日もカメラで撮っているんですよね?
内藤先生が退職されてからもう一ヶ月ですよ
どうして全然私に声をかけてくれないんですか?
こんなになった私をいつも見てくれてるのに…
内藤先生は優しくしてくれましたよ
さぁ今からでも 私 絶対誰にも言いませんから…
ドクっ!!!
盗撮がバレていたことへの焦りではない
さっきまでの彼女とは明らかに違う声
そうだ 私が惹かれていたのは この彼女だったのだ
蛇に睨まれた蛙
当然抗えるはずなど無い
掛けた白衣を羽織って部屋を出た私は もう完全に人を諭せる教職者ではなくなっていた
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数カ月後 私は同僚に目撃され逮捕されることになる
かつての内藤先生同様 自らも必死に懇願し包み隠さず暴露していたことを思い出すと今では少し笑ってしまう
だが 同僚はまるでゴミを見るような目で110番していた
家族はすぐに私と縁を切り たった数日で天涯孤独の身となったことで 後ろめたいものは何もなくなった
勾留中 1人だけ面会に来た生徒がいた
茶色の短髪ながら正義感面した顔が鼻についたが 絶対に許さない!と 今にも飛びかかりそうな殺気を押し殺して睨みつけてきたことでピンときた
ふふ なるほど あいつが例の先輩か はは…心配していたが少し安心した
まるで安っぽい正義感を振りかざす子供のヒーローごっこ
全然だめだ あいつじゃ彼女は支えられない
彼女は被害届を出さなかったらしく このあと起訴されるかどうかもわからないが オレは後悔など微塵もない
例えもう一度生まれ変わり 同じ立場になったとしても 同じ道を辿っただろう
今の私は充実感でいっぱいだ
なぜならば そうあの瞳に魅入られた時から 私は彼女の信者になったのだから