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Artist's commentary
クロエちゃんとの夏の日の思い出
{Image text}
汗ばむ季節が始まって、
蝉時雨が注ぐ頃、
「クロ」は突然、そう言った。
だが、そんな綺麗な少女との
結婚などできるはずがない。
なぜなら、ボクたちは
兄と妹という関係であり、
血が繋がっているのだ。
きっと、彼女なりの
タチの悪い冗談でも言って
しまったのだろう。しかし、青空に菜の花畑、
麦わら帽子、白ワンピース、
といった印象的な光景に、
そして何より、彼女の
眩しくも可憐なその姿から、
時折夏の幻想として現れる
彼女こそ「将来の嫁」という
決してありえない可能性が
何故か頭に浮かんだのだ。試しに彼女にもしかして
未来に結婚した覚えはないか
尋ねると、彼女は笑う。
「あっはは!お兄ちゃん、
な、何言ってるの!
そんなわけないじゃん!」
けど、ボクには見えた。
まだ、確定はしてないけど
将来「クロ」が夫婦として
一緒に過ごすかもしれない、
もしかしたらの風景を。
その様子を見て彼女が言う。「なら、今から約束しない?
……アタシが将来貴方との、
お嫁さんになってあげる!」
正直、無理そうだったが
特に彼女がいるわけでもないし、
彼女の嬉しそうな顔を見ると
とても断れなかった。
こうして、彼女との
結婚を約束されたボクは、
「クロ」と誓うのだった。
プロポーズの日が来るまで――