Artist's commentary
雨の日の昼下がりに疼く身体
□リクエストイラスト
4時間目終了のチャイムが鳴る
一斉に騒ぎ出すクラスメイト
机を寄せグループを作るもの 購買部へ急ぐもの 人それぞれ
教科書を仕舞い代わりに取り出す箱は 先輩と色違いで少し小ぶりなデザイン 私のお気に入り
先輩と夕食や朝食を共にするようになり ついでということで最近はお弁当も用意している
そんな面倒なことしなくていいと言ってくれてるけど
毎日の日課がこんなに幸せなことだって教えてくれた これは私の大切な仕事
一人で広げる昼食だけど いつも目の前には先輩が見えた
このハンバーグ手作りなのか? こんなの冷凍で十分なのに…
昨日のロールキャベツのタネを小さく焼いただけです 全然手間じゃないですよ ふふ
一人妄想しながらつい口が緩む
嬉しいのはそれが妄想だけじゃなく多分本当にそう言ってくれるから…
そもそも食事は私にとって排泄と同義な生理現象
むしろ苦痛ですらあった行為
それが共にする相手が違うだけでこんなにも変わるものだなんて
先輩本当にありがとうございます
サーサー
カッ カッ カリカリ
サラサラ…
雨音とチョークとペンを走らせる音…
単調な音と ほどよい満腹感が眠気を誘う
それはそんなときにやってくる
マキリの呪いなのか 薄暗く雨が降る昼下がりは特に危険
身体の中から湧き出すそれは
呼吸を早め 高まった心拍が肌が紅潮させる
体内をもぞもぞと這うさまはまるでローターのよう
今まで幾度となく誰彼なく犯され続けたため 性感 性欲 そういった類はすべて枯れ果てた
なのでこういう衝動も それまではただの腹痛と変わらなかった…
なのに…最近は少し違う
例えるなら食事に近い
味気なかったものが 今ではまるでご馳走のよう
唾液のように 忘れていた無味無臭で透明な液体があふれる
先輩を思うと切なくなる
頭が真っ白になってきて もう雨音もノートを取る音も聞こえない
鼓動だけが頭に響く
ドクッ トクントクン
はぁ はぁ
んっ んくっ
んは はぁ んあ
っ ん…
必死に声を押し殺し
漏れそうになるのを手で抑える
ビクン
触れた瞬間に背骨を通って電気が走る
既に手はびちょびちょに濡れ
ちゅぷちゃぷといやらしい音を立てている
自己嫌悪で忘れたい吐き気のする行為がだんだん快感にすり替わる
目をつぶればいつも目の前に先輩
優しい言葉と微笑み
想像だけで何度も絶頂する
周りに気づかれないように必死に堪える15分…
汗ばみ赤面した顔で恐る恐る周りを見渡す
名前も覚えていない男子と一瞬目があったような気がするけれど多分バレてないですよね?
わたし だんだん敏感になっている
このままだと いつまで耐えられるのかわからない
先輩 ごめんなさい
私 多分もう自分をおさえられません
そう遠くない未来 きっと先輩を誘惑してしまいます
もし先輩に拒まれたら 否定されたら 嫌われたら…
想像しただけけで体が凍りつく
一度知ってしまった光を失う絶望
きっと私には耐えられない
その時は多分もう私じゃなくなってる
そしたら先輩
ちゃんと私を殺してくださいね