Artist's commentary
王女様の秘密
*おおっと*
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産まれた時から彼は特別であった。
体の内から溢れる出る凄まじい魔力は、瀕死の状態だった母の命を救ったばかりか、己が地位を脅かすであろう血族の男全てを切り捨てた恐王である父の目を欺き、産まれたばかりの彼自身をも救ったのである。
幸い彼には、美少女と見紛うほどの美貌が備わっていた為、王を恐れた母は彼を姫として育て上げた。
彼が10の歳を迎えた頃、その強大な魔力は、まるで受け止める盃を作るかのように肉体の成長と老化を止めたが、それでも尚、溢れ続ける魔力は、次第に体外へと排出するよう彼の肉体を変化させていった。
朝・昼・夜の三度、魔力で溢れた彼の男根は痛いほどに天を仰ぎ合図を送る。
その凄まじい衝動を抑えながら、人目を避けるように秘密の部屋へ入ると、ただ一人、ひっそりと儀式を行う。
特製の瓶の口を男根をあてがうと、空いた手で魔力の排出を促していく。
体外へ排出された魔力は、その瞬間、肉体に強烈な快楽を与えると同時にまるでミルクのような乳白色の液体となった。
その香りと味はまろやかで甘く、一口飲むだけでどのような傷もたちどころに治す効果をもたらした為、求める兵士も多く、儀式は彼の日課となっていた。
今日もまた秘密の部屋で日課を終え、余韻に浸りながらゆっくりと身なりを整えていた彼であったが、ふと違和感に気付き顔を上げる。
するとそこには、誰もいないはずの部屋に、兵士が一人、ぽつんと立ち尽くしていた。
彼が密かに恋心を抱いていた幼馴染である。
男は、少し戸惑いを見せたが直ぐに神妙な面持ちになると、彼の前へ近づき耳元でそっと囁いた。
「その・・・何か手伝おうか?」
一人きりの儀式が終わりを告げた瞬間でもあった。