Resized to 72% of original (view original)

Artist's commentary
良く晴れた雨の日。
「線香より打ち上げ花火の方が好きだ」 あなたにとってはその程度の話。私は花火なんて嫌いよ、煩いし。私がそう言ったなら、あなたは得意げに笑いながら派手で良いとひねくれた言い回しでのたまうのでしょう? 華やかなのは私も好きよ。だけど花火は好きじゃないわ。あの時も、あなたがどこからか持ち出した花火で、危うく森に火をつけるところだったじゃない。霧が濃かったから助かったけれど、また上海を焦がされたら堪らないもの。ねえ、いつまでもこんな幸運が続くわけじゃないのよ。きっと分からないでしょうけど。いいえ、分かっていたとしても同じことね。いつまでたっても聞く耳を持たないし。 それなら、そうね。どうせ知らないだろうから教えてあげるわ。私は、花火が好きだったあなたが好きよ。 あら、夕立ね。運が良いんだか悪いんだか。でも良かった。これなら、火傷せずにすみそうね。