Artist's commentary
不思議な魔法 解けてしまうの
劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか の思い出 後編
TV版を知っていたので、説明一切なしの導入部に戸惑うことはなかった。しかしいきなり変な言葉を喋りだすグロテスクに変貌したブリタイとエキセドル、速すぎてなにが起こったかはよくわからないがとにかく最新型で格好いいということはよくわかる戦闘シーン。小白竜の未来的なコンサート演出、既に有名アイドルで大人っぽいミンメイ(とそのシャワーシーン)、SF的アイデアに溢れたデート、より分かりやすくなった文化/キスの衝撃と男と女の対立構造、大人格好いいミリア、どこに出てたんだ?カムジン、またカッコいいフォッカーの最期、世界の最果てでその魅力をこれでもかと見せつけられ、いよいよ本気で2次元女性に惚れ込んでしまった早瀬未沙の美しさ/可愛いらしさ。カァキザァキぃいい!!そら美しいって言うてまうわのミリアの美貌、TV版よりもより明確に決着のつく三角関係、そしてここまでが既存曲の流用だったため、てっきり最後は愛は流れるで締めるのだろうというこちらの予想の遥かに上をいく超名新曲と共になだれ込んでいく爆上げクライマックス。生きている人よりもリアルに感じたラストの見つめ合う未沙とミンメイ。そして絶望的な戦争から人類を救ったのが、何万年も昔のただの流行歌、ラブソングであるというとてもSF的な跳躍とロジックと快感に満ちたエンディング。
まるで見終わった前と後とでは世界の見え方が全く変わってしまう体験をした。それ以前にもそれ以降にももちろん名作と感じるアニメには出会っているがここまでの体験をしたのはこれが未だに最初で最後だ。
人によってはそれが、ガンダムだったりエヴァだったりするのかもしれない。でも僕にとっては間違いなくそれはあの時に観た愛おぼえていますかだったのだ。