
Artist's commentary
清蘭と純狐
この2人を一緒に描きたかったから描いた絵です。うど純もいいけど清純派
接点がないから仕方ないけど全然見たこと無い。みんな描いて(>_以下何とか二人のストーリーが作りたいと思って書いた裏話
地上に堕ちてしばらく。わたしは月と違いすぎる地上での暮らしに苦労していた。この日はふと独りになりたくて人気の無い場所に行った。
地上は嫌い。けど地上の景色は好きだった。日が暮れて月が見えてくる。美しい。故郷を見ると辛くなる。
わたしはもう帰れないのだろうか…。
ふと、声を掛けられた。気配がなく全く気づかなかった。隣に綺麗な人が立っていた。純狐さんだ。
少し前から知り合ってわたしの内情を話すといつも親身になってくれる優しい人。地上にいる人間や妖怪は好きじゃないけど、この人は特別だった。地上でのわたしの知人は他には鈴瑚と鈴仙くらいしかいなかった。あの二人には何となく弱みは見せたくないし、月に帰りたいと言ってももう諦めたら?などと返される始末。
だけど純狐さんは否定しないでわたしの思いを聞いてくれる。純狐さんと話していると不思議と心が…上手く言えないけど邪心が無くなるような…とにかくすごくリラックスできるのだ。
この日は色々あって落ち込んでいたから純狐さんを見たら安心してしまった。
この清蘭という玉兎は最初はただの気紛れで話し掛けたのが、少し優しく接してやるだけで簡単になつかれてしまった。それ以来、何度か会っている。
今日はたまたま見かけたから声を掛けた。話を聞くと何やら地上の暮らしが大変なようだ。月の暮らしと違いすぎて辛い…か。
お前を今の状況に堕とした元凶は私なんだけれどね。そんな私に心を許してしまっている。フフ…実に滑稽ね。可笑しくてたまらないわ。
けれど、こいつには同情はしている。玉兎である以上私の敵とは言え、奴らの都合によって敵地に行かされ、最後は置き去りにされたと考えると可哀想だとは思う。
だから私も親身になってやることにした。彼女が『月の兎』を辞めている間は。
さあ涙を拭いて清蘭…