
Artist's commentary
夜符・メイカー
■pixiv #1419958 »(もこれみ)の続き。 ■涙で濡れた部屋に、ノックの音が転がった。誰にも会えない顔なのに、もうなんだよ、どちら様?「……私よ、咲夜。さ、さっきの事について……ちょっと、話があるわ。部屋に入れて頂戴。」お嬢様?冗談じゃない!もこたんと居ればいいじゃない。構わず消えてくれ、そこに居られたら泣けないだろう。イェイ。ルララルラー、ルララルーラー、アッー。 ……大洪水の部屋に、ノックの音が飛び込んだ。あのお嬢まだ居やがったのか、消えてくれって言ったろう。「……さ、咲夜。ち、ちがうの。あれはね。ちょっと、ふざけて、て。ふ、ふぇ……ちがうの、ちがうの……ぐすっ。ふぇ……ぇ……」お嬢様?冗談じゃない!アンタが泣いてちゃしょうがない。泣きたいのは私の方さ、もこたんとちゅっちゅしてりゃいいじゃなーい。イェイ。ルララルラー、ルララルーラ、アッー。二人分の鳴き声遠く。 ……ドアを挟んで背中合わせ、しゃっくり混じりの鳴き声。膝を抱えて背中合わせ、すっかり疲れた鳴き声。今でもしっかり私を、好きでいてくれていますかお嬢様?「あ、当たり前よ!咲夜は、咲夜は、私のっ……大事な……!それに……抱っこ、してもらえないと、眠れないのよ……」今ではお嬢様を部屋に入れてもいいと思えたが、困った事にドアが開かない。噴き出した鼻血の水圧だ。そっちでドアを押してくれ、鍵なら既に開けたから、うんとかすんとかいってくれ、どうした?おいまさか、お嬢様?冗談じゃない!今更私一人置いて、構わずもこやがった、信じた瞬間裏切った。お嬢様?冗談じゃない!スペカの宣言をする音、夜符パチキかまして泣き顔で「さくやああぁぁぁ!うわぁあああん!」ルーララルーラー、ルララルーラー、アッー。 ……小さなお手手を取り出して、私に突きつけてこういった。「……貴女が一番なのよ、咲夜」微笑んだが、鼻血は吹き出た。