Artist's commentary
5月6月の里奉ちゃん
奉太郎の家は里志の家よりも学校から遠いのですが、里志なら遠回りくらいしてくれそうですね。
雨の日の里奉ちゃんといえば、アニメの氷菓では1話のBパート、原作では遠まわりする雛収録の女郎蜘蛛のお話ですけど、個人的に雨の日の里奉!って感じで萌えるのはさよなら妖精の氷菓キャラ置き換えを押したいわけです。
さよなら妖精は氷菓というか古典部好きなら耳にしたことはあるかもしれませんが、「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」3部作の、クドリャフカの前に古典部として考えられていたお話です。古典部としてはファンタジーすぎるということで古典部にはクドリャフカが用意されたようです。ですが元々古典部で用意されたものなので話の舞台やキャラの節々、語り口などでとっても古典部を感じられるのです!未読の方はおすすめです!!
ということでしょっぱなの登場シーンで探偵役とその助手にあたるふたりが会話をしているわけですがこれがとっても萌えるわけですね!話の構成としてはチョコレート事件に近い構成になっていて主人公が「同じ価値観がないと人は物事に幸福や不幸を感じ得ることができない(要約」ということを語り、その後のお話で価値観の違う海外から来た女の子と価値観の違いでおこる小さな謎を解決していくわけです。
主人公がそんな会話をだらだらしゃべれるのはその助手役の子だけなのですけどそれが里志と奉太郎だったらどういうふうになるんだろう?と考えるととってもたのしい!妖精では一言で返されるのですけど、これが里志だったらまず否定するのかなーとか奉太郎を揶揄しながら価値観についての他のデータをもちだしてくるのかはたまた??みたいな。 不動橋を渡った後、海外からの留学生マーヤに傘を差し出すのは里志で、下手な英語を一生懸命しゃべるのかな?!とかおもうとめっちゃ萌えます。
そして白河いずるがえるちゃんに当たり、のこった文原がまぁまやかちゃん?みたいな… えるちゃんの名前の由来にも該当するであろう、日本の偏諱システムに起こった漢字と漢字の組み合わせの矛盾など考えると読むほどに面白いです。あと個人的に最後の最後で探偵役の主人公に一太刀を浴びせる助手役のポジは里志というよりは摩耶花ちゃんだと最高にクソ萌えるのでほうまやすきなひともぜひ妄想して欲しい!!
この小説を読むと奉太郎がもしえるちゃんのように内側を未来に見据えて生きる人でなく、もっと奉太郎の知らない世界を、外側を見据えて生きる人と出会っていたら、未来が変わるのだろうか?と思ってしまいます。つまり奉太郎にとってというか主人公という概念に対してのヒロインのあり方といいますか。奉太郎がえるちゃん以外の女の子にエンカウントするとこうして簡単に未来は書き換わってしまうというか。ちょっとメタいかんがえ方ですけど。奉太郎にはえるちゃんしかありえないから古典部にはこの話はふさわしくなく他のシリーズに変わったわけですが、どちらの世界線においても里志の役割は奉太郎の人生に影響を与えないわけです。それを私は里奉にとって最高にハッピーな形だと思うわけですね、どの世界に行っても絶対的な親友というポジション。簡単に言うと、こうして妖精の氷菓置き換えをして楽しめる素敵さ!ハッピー!
ということで世界線βの古典部として考えるととってもダークでファンタジーでたのしいです。妖精=ファンタジーなので本当に秀逸なタイトルですね。いろいろたのしめるのでぜひ古典部の新作を待つ間にでも一読してみてください♡