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Artist's commentary
黒染メ水葵
人里離れた霊山。
本来であれば神霊が祀られている清浄な土地に、禍々しい瘴気を湛えた洞窟があった。
瘴気は水を汚し、里の人間にも悪影響をもたらす。
かつてこの地の神霊として祀られ、今では人の姿に転生し里の一員として迎えられている妖狐「水葵」は、
この異常事態を察知し、単身洞窟へと向かう。
しかしそれは、彼女の膨大な妖力を狙う妖術師が企てた姦計であった…
不意を突かれた彼女が最後に見たのは、自らに覆いかぶさらんとしている巨大な肉の塊。
気付いたときにはもう遅く、一瞬のうちにどす黒い瘴気を纏った肉卵に飲み込まれてしまう。
水葵が里を出てから半月が経過し、山を覆う瘴気はより一層強まるばかりであった。
瘴気を吐き出し続ける魔窟の最奥。
本来不浄と不潔を好む下級妖魔ですら眉をしかめるほどの汚臭に満ち、
触れただけで肉が焼け爛れるほどの毒水が床を浸している、霊殿があった。
陰陽師風の法衣に身を包んだ壮年の男が、巨大な肉卵の前で呪言を唱え続けている。
不意に、ぶるり、と肉卵が震え、にちにちと粘ついた音を立てながら亀裂に沿って割り開かれてゆく。
亀裂から漏れ出た猛烈な「女」の性臭が男の鼻をつき、ぐぐっ、と股座が屹立する。
床を浸す汚水に粘液を滴らせながら、ぐぱぁ…と肉卵が開かれ……