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Artist's commentary
雫あつめて
乙宗梢です。
6月半ばとなり、金沢の街でも紫陽花が美しく色づく季節になりましたね。
まだ私が子供の頃のこと。ぽつぽつと雨が降る朝にふと外を見ると、乙宗の屋敷の庭に、まるで玉簾をおろしたような霧がたちこめていたことがありました。
なぜだかとてもおかしくて、じっとそれを見つめていると、雲の隙間から朝日が差し込み、雨を湛えた庭の紫陽花が、まるで宝石のように輝きだしたんです。
ふふっ。花帆からお誕生日のお祝いに、と頂いた紫陽花を見ていると、ついそんな昔のことを思いだしてしまいました。
あじさいに しずくあつめて あさひかな
加賀千代女のこの句のように、瑞々しい光をまとった紫陽花を愛でながら……あなたと出会えたこの奇跡に、心からの感謝を込めて。

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