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drawn by nii_manabu

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    #たかがアイドル!
    🌈メンバーたちのラブコメな日常をお届け🎤

    著:西条陽 @GoWestGoGo
    イラスト:仁井学 @aleos696
    \

    青山そらの『爽やかなアイドルの恥じらい』

    「今、胸みてたでしょ」

    「え、いや――」

    「やらし~」

    青山さんは爽やかに笑っていう。
    朝、シェアハウスの前でのことだ。
    ランニングにいっていたみたいで、汗でTシャツが張り着いて体のラインがはっきりわかる状態になっていたのだ。

    「顔、赤くなってる~」

    青山さんはからかうようにいったあと、「ちょっと、待っててね」という。

    「シャワー浴びてすぐ準備してくるから」

    しばらく待っていると、身支度をした青山さんがでてくる。

    「じゃあ、仕事いこっか」

    青山そらの。

    デビューと同時にビジュの良さが話題になり、爆速で売れたアイドルグループ『カプセルプラネッツ』のメンバーのひとり。

    ショートカットがトレードマークの、爽やかな女の子。
    クールな雰囲気がかっこよくて、男だけでなく、女の子のファンもすごく多い。
    顔立ちが整っていてスタイルもいいから、ファッション誌のモデルの仕事までしている。

    今日は、そのモデルの仕事の引率の日だった。

    俺は夏休みのバイトマネージャーとして、芽野社長から送られてきたメールの指示どおり、スタジオに青山さんを連れていく。

    青山さんはどんどん服を着替えて、撮影をこなしていく。
    なにを着ても似合うし、どんなポーズも様になる。

    休憩時間、青山さんが話しかけてくる。

    「どう?」

    「すごくいいと思う」

    「もっと褒めてもいいんじゃないの~、かわいいとかさ~」

    「えぇ~」

    フレンドリーなところも青山さんの魅力だ。
    こういう雰囲気がファンにも伝わって、人気があるんだと思う。

    からかわれながら、俺はふと、思いついたことをきく。

    「青山さんが朝ランニングしてたのって――」

    「うん。軽く運動したあとのほうが、顔がすっきりするんだよね」

    撮影のために、わざわざ早起きしてランニングしていたのだ。
    すごくプロ意識が高い。

    「夕方からライブもあるしね。体はいつでも動くようにしときたいからさ」

    撮影が終わったあとのライブで、青山さんはしっかりとキレのあるダンスを披露する。

    さらに、踊りながら、アドリブで夜野や赤星の肩を抱いたりもする。
    そのたびに、一部のファンが大きな声をあげる。

    以前、芽野社長が青山さんにいっていた。

    『ファンのなかには、そらのを王子様みたいに思っている子たちもいて、他のメンバーとからんでほしいと思ってるみたい』

    だから、青山さんはファンのためにサービスしているのだ。

    衣装を変えるため、みんなが舞台袖にはけてきたとき、肩を抱かれた赤星は頬をあからめていた。

    「そらのに惚れそうになっちゃった!」

    夜野と同じで、青山さんも完璧なアイドルだと思う。
    ファンを楽しませ、魅了し、期待にこたえる。
    でも欠点がなにもないかというと――。

    ライブが終わったあとのことだ。
    五人をシェアハウスまで連れて帰る途中、青山さんがコンビニへいくといってひとり離脱する。
    それで、四人を連れて帰り、俺は隣の自分の家に帰宅する。

    二時間くらい経ったところで、夜野からスマホにメッセージが届く。

    『そらのちゃんがまだ帰ってないんだけど……』

    もう夜も遅い。
    俺は心配になって、青山さんに電話する。
    すると、青山さんは通話口のむこうで、恥ずかしそうにいう。

    「ちょっと、道に迷っちゃって、帰れなくて……」

    「どこら辺にいるの?」

    シェアハウスに帰るまでは、旧街道の細い道もあるしな、って思うんだけど――。

    「登山道の入り口がみえるんだよね」

    「…………」

    結局、一時間以上電車に乗って、俺は青山さんを迎えにいった。

    ガラガラの帰りの電車、ふたりならんで座りながら、青山さんはいう。

    「迷って歩いてたら、駅があったんだよね」

    「一駅分歩いたんだ……」

    「それで、また電車に乗って、駅からやりなおそうとしたら――」

    全然ちがう方向の電車に乗ってしまい、あれよあれよと、運ばれていってしまったらしい。

    「青山さん、方向音痴だったんだ……」

    「恥ずかしくて、みんなにはいえなくてさ」

    青山さんはそこで明るい顔になっていう。

    「でも、花ノ目くんにはバレちゃったから、これからは迷子になったら迎えにきてもらえるし、最初からついてきてもらうこともできるしね!」

    「ポジティブ!!」

    最寄りの駅についたあと、青山さんは、「そうだコンビニにいきたかったんだ」といって、駅をでて左にいこうとする。

    「青山さん、コンビニは右だよ」

    「……だよね!」

    青山さん、どうやら私生活は完璧じゃないっぽい。

    【小説は5月9日発売!】

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