Artist's commentary
武蔵小山パルム店:プレゼント用バニーさん(望月りっか・24)の場合
「ぱんぱかぱーん! 100ポイント達成、おめでとうございまーす☆」
威勢のいい声とともに、わたしは両手でピースサインを作った。
頭上の長い耳が、トップレスの胸が、わたしのテンションに合わせてわずかに揺れる。
武蔵小山パルム店のフロアは、商店街の活気とは裏腹に、濃厚な照明と重たい熱気に満ちている。
目の前でシャンパングラスを傾けるお客様は、どこか夢見心地な表情で、わたしの姿を凝視していた。
(あ、今、わたしの胸の真ん中にある、小さなホクロを見てる……)
視線の温度が、肌に直接刺さる。
この「正装」には、わたしの柔らかな膨らみを遮る布地が、文字通り一片も存在しない。
店内の冷たい空調が、むき出しの先端を遠慮なく撫でていく。
プロとして、この開放感には慣れているつもりだった。
けれど、100ポイントという大記録を祝う特別な高揚感のなかで、胸の奥に封印したはずの羞恥が、じわじわと指先まで痺れさせていく。
「それではどうぞ♡ 特典をお受け取りくださいませ」
わたしは一歩、お客様の膝の間へと踏み込んだ。
腰に巻かれた真っ赤なリボン。
それが、この場におけるわたしの唯一の「包装」であり、境界線だ。
「ちなみに、梱包は別料金となりますが……」
わざとらしく小首を傾げ、湿った声を上乗せする。
(……このまま、お持ち帰りになりますか?)
究極の問いかけ。
もし「梱包」の意思を示されれば、わたしはバックヤードの専用ブースへ向かうことになる。
そこにあるのは、肉厚のビニールシートと、吸引ノズル。
そう、「真空パックオプション」。
全身を透明な膜で密着され、肺の中の空気さえも薄くなるほどの圧迫。
逃げ場のないビニールの中で、自分の体温と吐息だけが、唯一の生存確認になる。
(あの、全身がギリギリと締め上げられて……一切の自由が奪われる感覚……)
想像しただけで、下腹部の奥がキュンと鳴った。
喉の奥が渇き、心臓の鼓動が、ハイレグの鋭い食い込みを介して全身へと伝わっていく。
(早く……早く吸い出してほしい)
自らの意思を奪われ、薄い膜一枚にすべての輪郭を暴かれる瞬間の、あの暴力的なまでの密着感。
プロとしてのサービス精神なのか、それとも、ただの生理的な渇望なのか。
もはや、その境界線は、この赤いリボンの結び目よりも脆くなっている。
お客様の視線が、わたしの腰元から、リボンの垂れ下がる「境界線」へと吸い寄せられていく。
そのわずかな沈黙と熱を帯びた頷きで、わたしの理性の最後の一線が、ぷつりと音を立てて切れた。
「かしこまりました。それでは、鮮度が落ちないうちに……」
潤んだ瞳を隠すように、わたしは深く、深々とお辞儀をした。
重力に従って垂れ下がる胸が、お客様の目前で、ゆらりと、無防備に揺れた。

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