Artist's commentary
春の西風
かつて花の女神は春の妖精であり、
その美しさに一目惚れした西風の神が彼女をさらって
妻とした結果、永遠の花園を与えられて女神となった
―――と語られることがある。
それが、強引な手段による一方的な誘拐であったのか、はたまた互いに愛し合っての逃避行のようなものであったのか。
二人の関係はどのようなものであったのか―――
その答えはわからない。
花の女神に問うたとしても、返ってくるのは
はにかんだような微笑のみ。
―――ただ。暖かな西風は、今も、
春になるたびに花を優しく揺らしている。

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