Artist's commentary
Hippopotamus Gorgops
<イラストタイトル>
水面近くで静かに見つめるゴルゴプスカバ ──ゴルゴーンの凝視
<動物コメント> ◎花園教会水族館 篠澤俊一郎
ゴルゴプスカバは更新世に絶滅したカバで、現生種のカバよりも大型でした。ゴルゴプスカバの化石はアフリカのアルジェリアやモロッコ、イスラエルなどで出土しています。 カバの先祖は北アフリカからヨーロッパやインド亜大陸へと分散していきました。 ちょうど、ゴルゴプスカバの化石が出土した北アフリカ、アルジェリアにあるエルケルバ遺跡は前期更新世の遺跡。ここではオルドワン石器が出土している事で知られており、人類の黎明期とも重なっているようです。またこのときは大地溝帯(グレートリフトバレー)形成期でもありました。 そう考えると ゴルゴプスカバは人類とどのような関りがあったのか? カバの先祖が分散していった原因は気候変動なのだろうか? カバはヨーロッパから東南アジアまでなぜこれほどまでに広範囲に分散していったのか? などの沢山の疑問が出てきます。
ちなみに旧約聖書のヨブ記に怪物「ベヘモット」が登場しますが、こちらは一説ではカバではないかとも言われています。下の旧約聖書の引用での「これ」がベヘモットですが、動じない様はカバのようではないでしょうか。 『見よ、たとい川が荒れても、これは驚かない。ヨルダンがその口に注ぎかかっても、これはあわてない』(ヨブ記40章23節)
私たちはそれらの沢山の疑問に対して、このカバのように慌てずに、ロマンを持ちながら新しい発見ができるように進んでいきたいですね。
(2022年7月公開)

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