Artist's commentary
こびとの住む森
こびとシリーズ第二弾。今回は森の中です。
この作品で特に難しかったのが,水の表現と枯葉の表現です。
どちらもどこまで描きこむかとても悩みました。
以下,詳細な解説。
この作品で一番初めに目が行くのはコントラストが一番激しい手前の木と奥の鳥居のあたりだと考え,その周辺の質感に力を入れました。反対に2番目3番目に目が行くであろう奥の枯葉から手前の枯葉,水たまりの波紋はあまり描きこみ過ぎないように心がけました。枯葉は特に目に付く一番上に重なっている数枚を丁寧に描きこみ,水の表現は複雑になりすぎないように地の色の上から不透明度を100のまま丸ブラシで重ね塗りし,レイヤーごと不透明度を下げることで表現しました。
苔は局面の端の重なり合い,光の影響で明度が高く見えるところ以外は描きこみ過ぎないようにすることを意識し,ごてごてしたしつこい印象を与えないようにしています。
鳥居の赤い色,登山道の目印の赤いテープ,こびとの住む家の玄関先の旗の赤い色は同じものにし,コントラストや明度による視線の順番を考えて,見ている人に最後に「こびとの住む家を見つけてしまった」というような印象を与えるようにしています。(うまくいっているかはわかりませんが笑)
完成から数日経ち,このキャプションを書いているわけですが,改めてみると画面左,中央の手前にもう少し影を落としてもよかったのかも知れないという気がしています。というのも,やはり画面に奥行きが感じられない。うまく説明ができませんが,画面右の要素の重なりで奥行きを出したつもりでしたが,レイヤーの前後感が強く出ているような感じでしょうか。
他の反省点としては右の岩が奥に行くほど上面がこちらに起きるようにして傾くように描かれているため,やや不自然な並びになっているように見えてしまうことです。実際にそうなっていたとしても,はじめに見た人がこの部分を見て,第一印象でパースが狂って見えるようではあまり心地よくならないので,この部分は修正が必要かもしれません。

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