Artist's commentary
歌うように、息絶えるように
『異世界迷宮の最深部を目指そう10巻』(割内タリサ先生著)がオーバーラップ文庫から本日発売です!
なんだかすごく普通のラノベの表紙っぽい…!
「小説家になろう」で連載中の小説です。こちらは無料でご覧頂けますので、お試しの方も是非どうぞ!
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ツイッターアカウントを取ってみました。▼twitter/ukaisaki▼
友人に勧められてすごく思い付きで始めたのであんまり更新ないかもしれません。
店舗特典▼https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/281336/blogkey/1979358/▼
OVL文庫特設サイト▼http://over-lap.co.jp/bunko/narou/906866793/▼
以下はイラスト注釈です。反転して下さい。本文ネタバレ注意です!
◆上でも言っていますがまず皆さんが初見で思われるのが「明るい!」だと思います。
いつも特に暗い表紙を描こうと意識していたわけでは無かったのですが、改めて歴代の表紙と並べてみるとまるで違うシリーズのような鮮やかさと清々しさですね…。
普段どれだけ私が作品から不穏さとか闇とかを感じているか自覚させられました。
これも特に「10巻を明るい表紙にしよう!」と意識したわけではないのですが、今巻の内容を表わそうとしたら自然とこうなったので、これはティティーの力でしょう。
◆場面としては前日譚が始まって終わって皆に別れを告げている辺りのシーンです。
崖の底に膝をついていたけど絶壁は唯の平坦な道だと気付いた所から、ティティーは膝立ちです。
◆渦波は『草原と切妻屋根の家』、『獣人の老夫婦』、『孤児院』、『城の庭』の絵画から前日譚を発動させて『統べる王』の本を再構成しているイメージで。
表情は仕方ない姉を見るかのような。
ティティーに焦点を当てたのと翼を入れたかったのもあって渦波には小さく映って貰いました。
高身長の人物の質量感が好きなのでそれが出したかったのも。
◆背景は故郷の草原と青空。千年前の空が晴れて青空と陽の光、上空ではヴィアイシア国民の魂が登っていく
◆風を描きたかったので花弁や服、髪などをはためかせ、その免罪符のもと存分にふとももを。
本の頁が風であおられてティティーの止まっていた時間が進むイメージも。
◆ヒビの入ったチェス駒が地面に散らばっている=王様のごっこ遊びを終える
◆花は瓢箪の花。花言葉は「幸福(ヴィアイシアの)」、「平和(ヴィアイシアの)」、「繁栄(ヴィアイシアの)」「利得(ヴィアイシアの)」「夢(ヴィアイシアの)」、「円満(ヴィアイシアの)」、そして「手に負えないほどの重さ」。
なんの変哲もない爽やかな青空と草原を背景に描いていたら常が常だけになにかしら闇要素とか毒とか入れなくていいのか謎の不安感に襲われたので…。
瓢箪の中身を除去して乾燥させたものが容器として使われる→中身が伽藍洞
その花をティティーが風に乗せて放っている→その役目から解放される
◆表題は音楽記号のcantabile(歌う様に)とmorendo(命絶えるように、段々速度を落とし、次第に弱く)から。加速されていたのが元の速さに戻って、ちゃんと時間を感じられるように。守護者としての未練が薄まり死に向かっている様子。