This post was deleted for the following reason:
Unapproved in three days ()Artist's commentary
ずっと一緒に
「よく似合っているよ、マシュ」
「ほ、本当ですか、先輩? こんな私でも、御主人様に喜んでいただけると良いのですが……」
「大丈夫だよ。マシュは可愛いんだから。絶対御主人様のお気に召していただけるよ」
「だと良いんですけど……」
マシュと立香。二人の少女が仲睦まじく会話を続ける。
しかし、もし、正気な者が見たら、その異常な光景に眉をひそめることだろう。
肌も露わな薄衣の衣装を纏った少女たち。その会話内容は、如何にして主人に奉仕をするかというもの。
あまりにも淫らなその光景。しかし、少女たちは自分たちの今の状況に、一切の疑問を挟むこと無く、楽しげに会話を続ける。
「よし、出来たっと。さぁ、行こう、マシュ」
「はい、先輩……」
やがて、マシュの着付けが終わったのか、立香がマシュに手を伸ばした。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
「御主人様、マシュの支度が完了致しました」
「し、失礼致します。御主人様、お待たせ致しました……」
立香に促されて、マシュは恐る恐るといった様子で部屋の中にいる男に頭を下げる。
「御主人様、如何ですか?」
立香の言葉に、男が満足げに頷く。
それを見ただけで、マシュの中に今まで感じたことのない幸福感が湧き上がった。
口元には微笑みが浮かび、自然と忠誠の言葉が口をついて出る。
「御主人様、盾兵のデミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトと申します。若輩ではありますが、御主人様の御身をお護りするため、この身命を賭して貴方様に尽くすことをここにお誓いさせていただきます……」
まるで、マシュを支えるかのように彼女の背後で控えていた立香は、マシュのその言葉に満足そうに頷く。
「御主人様、これでカルデアの全てのサーヴァントは貴方様の所有物になりました。無論男どもは皆自害させ、今、この場にいるのは全て御主人様に忠誠を誓う牝サーヴァントだけでございます」
立香が、どこか誇らしげに今のカルデアの現状を語る。
今のカルデアは、人類の絶滅を防ぐための組織ではなくなり、ただ、一人の魔術師の欲望を満たす為だけのハーレムへと成り果てた。
そして、最後のマスターとして数多のサーヴァントとともに戦場を駆けた少女は、今では男の走狗に成り下がり、彼女と絆を交わした女性サーヴァントたちもまた、今では男の周りに傅いている。
マシュは、そんな光景を眺めながら、自分も今からこの中に加わるのだと、どこかぼんやりとした頭で考えていた。
ふと、マシュは自分の頬に一筋の涙が伝うのに気がついた。
しかし、もはや今の彼女はその涙の意味を知ることなどできなかった。
“かつてのマスター(先輩)”とともに“新たなマスター(御主人様)”に仕えることになるこれからの日々に想いを馳せながら、立香に手をひかれながら主人の周りに侍る“サーヴァント(召使い)”たちの輪の中に向かっていった。