Artist's commentary
【PFFK】贄姫/ニエ【ゴルベイル】
「姫」と名を冠される伝説クラスの魔王ジゼッラ=アル=クレスベネリンドナイトフォーチュナ。
かつては城塞を都市ごと持ち上げ、文字通り一瞬にして堕とし、一帯を灰燼と化すような邪悪な魔王だったと古い記録にはある。
…が、何があったのか、精神が壊れてしまった状態で発見され、もはや彼女単体では大して何が出来るわけではない。
(昔の名残で、魔術発動の真似事のようなことは出来るようだ。時々、楽しませようと見せてくれることがある)
現在の彼女は単なる要塞の魔力源であり、それ以上の存在ではない。
自身で魔力制御もしきれず膨大な魔力を常に放出し続けているため、要塞内にいる限り魔力の供給源として機能し、フォートブリッジのメイン動力源のひとつとして扱われている。
無論、要塞の運用やコントロールには一切関わっていない。
なお、過去の事例からフォートブリッジの一部として活用されることが設計時から想定されており、要塞内に魔術的に縛られている。
(建材の一部に彼女の血が使われており、縛られているというより体の一部として紐付けられている)
外壁に大きな穴が空くような破損でも起こらない限りフォートブリッジから出ることも連れ出すことも出来ないが、内部での自由行動は可能であり要塞内でどこかに縛られていたりはしない。
もっとも、現在の彼女にとって、自分から外に出ようなどという意志もない。
興味があるのは、誰かにかまってもらえることとおいしいごはんだけなのだから。
故に、過去の事例を踏まえた蔑称を込め、その名を「贄姫」とだけ名付けられた。
もっとも、過去はどうあれ時代は下り、現在の愛称は「ニエ」。
本人はどう呼ばれても気にしないが、好意がある方が嬉しいようだ。
要塞内ではマスコットやペットのように扱われているが、当人も概ね満足そうである。
基本的に、現在は完全に無邪気で好意には好意を返す。
無視されると悲しそうに泣く、かまってもらえると嬉しそうにすぐ笑う。
喜怒哀楽がストレートでわかりやすく、感情的にはあまり我慢はできない模様。
言葉はなく、声で気分を表すこともあるが、あまり迷惑をかけるのは嫌いなため騒ぐことはない。
時々、屋上や窓から空を眺めつつよくわからないメロディで歌っている。
綺麗なものや優しい男の人、かまってくれるおねーさん、美味しいご飯をくれる人が好きなようである。
そのため、要塞内ではおんぶされたまま寝ている姿やいきなり後ろから飛びついたりする姿が良く見かけられる。餌付けする人もいる模様。
ただし、いつも寝間着同然の格好(このような格好が好みらしい)でうろついているので、一部の男性には目の薬でもあり毒のようだ。
唯一問題なのは、会議中にかまってもらいたくてじゃれつくことがあり、騒いだりはしないものの、引き剥がすと寂しそうに泣いたり遠くから悲しそうに見つめるので面倒ごとになっている。
【パーソナルデータ】
性別:♀
年齢:外見16歳
体型:158cm
職業:魔力供給源
武器:自衛術法のみ
人称:なし(あーとかうーとかしか言わない)
【特記事項】
生体魔力源としての運用時に注意が2つある。
ひとつは、あまりに濃い魔力を放出するため、長い時間、彼女の近くにいると変質する場合があること。
コレは個人差や彼女の気分に依る部分もあるようで、親しいほど変質する可能性が高いとされているが、何もない場合も多く、理由はよくわかっていない。
基本的に好ましくない変質はないとされているが、時には祖先の血を喚び起こされ、種族として変質してしまうものなどがいると言った結果も報告されている。
もうひとつは、自衛本能として彼女に「直接危害を与えようとする者」の金属を腐らせること。
この防衛本能は恐ろしく強力で即効性が高く、魔法的金属やミスリル銀,果ては神の大地の神水晶など、恐ろしいことに黄金を含め、検証した限りはすべての金属に等しく作用する。
その際、血中の鉄すらも腐らせるため、大抵の生物はその場で昏倒し絶命する事が多い。
黄金にすら影響があることから強力な呪いに近いものと推定されている。
幸いなことに現状は精神が壊れているため、敵味方の区別がなく害意だけに影響すると思われる。
誰にでもよく懷き、優しくしてくれる人には誰にでもついていく性質が認められているため、害意を持った直接攻撃さえしなければ比較的安全な魔力供給源でしかないが、影響が大きいため特記事項として記しておく。
なお、家族や友人にするように日常生活において怒ったり叩いたりする分には問題ないことは確認されている。