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Artist's commentary
新たな供物
明治以降、西洋の貞操観念が広まったことによって女性達の身持ちが固くなり彼らの祭儀は危機に瀕していた。性交、妊娠、出産が織りなす生命の躍動を奉納する彼らにとって女性の協力は欠かせなかったが、ついにある時を境に参加する女性が途絶えてしまったのだ。やむなく彼らは女性を拉致して性交に及び、その後監禁し続けることで祭儀の存続を図った。強制的な性交は当然犯罪行為であるため女性を開放するわけにもいかず、かといって生命の神に仕える彼らが人を殺めるわけにもいかなかったのだ。一族の当主は後に情報を秘匿する術とそれらを維持する資金をどうするかが問題になると予期した。そこで当主は人脈を生かし富豪や権力者相手に非合法な性的サービスや生まれた子を提供する事業を展開していった。最初は極めて小規模だったがいつしか海外からも多数の客が訪れるようになり、現在に至っては様々な国で法律的、倫理的な問題が指摘されている代理母出産も手掛けている。事実上彼らは世界規模の犯罪結社となっていたのだ。そんな中に学者が単身で乗り込んだらどうなるか火を見るより明らかだった。この技術棟は入ることより出ることの方が難しく電波も完全に遮断され外部と連絡が取れない造りになっていた。結局私はホールから移動する事が叶わず、友人に再開することなく捕えられてしまった。…………ショーが佳境を迎えていた。「ツラヌキ様、ツラヌキ様、どうかお静まりください」 ステージの上で口に1本、秘所に1本、不浄の穴に1本差し込まれた私は飛び入りのパフォーマーとして大いに観客を楽しませた…。illust/35960405の続き。