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Artist's commentary
夜の音楽祭
No music,No life――そんな言葉が、人間の世界にはあるらしい。では妖怪はどうか? 宴会の方が重要ではあるが、宴会を盛り上げる音楽はあった方がいい。むしろ、ないと盛り上がりに欠けるくらいだ。
そこでリグルは、はたと気づいた。やかましいものだけが音楽ではない。虫の鳴き声などは、風流なものとして受け入れられているではないか。
ならば――『ナイトバグ楽団』を作ってもいいんじゃないだろうか。
自身の天才的な閃きに、リグルは俄然やる気になった。自分が指揮をすれば、きっと望んだ以上のものができるはずだ。
「よぉし!」
ナイトバグ楽団は、こうして幕を開け――唐突に歴史から消えてしまうのだが、なぜかリグルは固く口を閉ざしたまま、この事件の真相がひもとかれることはなかった。
■リグル「……ねずみのマーチを……いや、なんでもないです」■DR215位、ありがとうございまーす!